第1種電気工事士筆記試験の過去問一致率は脅威の◯◯%!これで貴方も合格確実!
こんにちは、パグぞうです。第1種電気工事士の筆記試験を受けてきました。
試験時間220分の長い戦いを経て、見事第1種電気工事士筆記試験に合格(自己採点)しました‼️
また合格したの?すごい!
点数は恥ずかしいから言わないで
うん。わかった。78点‼️
めっ!
感触的には楽々80点越えしていたのですが、思いの他、点数を落としていました。
というか、賭けに出たところがことごとく外れていました。。泣
ということで今回は、2019年度の第1種電気工事士 筆記試験ではどんな問題が出題されたのか?どんな問題を間違えたのか?を徹底解説します。
過去問と同じ問題はどれくらい出たの?や、合格にはどんな対策が有効なの?についても書いていきます。
今回試験対策に使用した過去問集はこちらです。過去問対策はこれ一冊で万全です。
詳解第一種電気工事士筆記試験過去問題集 ’20年版 コンデックス情報研究所/編著
過去5年分の過去問が解けます。解説が丁寧で分かりやすく、さらに問題冊子と解答冊子が切り離せる優れものです。答え合わせをする時など非常に便利です。
さて、これから実際に出題された問題の解説をしていきますが、やっぱり私は電気工事士に興味が持てませんという方は、こちらの記事をどうぞ。
50問全部解説しますので、全部読むのが大変という方は、気になる問題だけ読んで頂いてもOKです。
それじゃ、いってみよー!
第一種電気工事士筆記試験の出題
問題は全部で50問。1問2点です。
解答は試験の次の日に公開されました。
では答え合わせと解説をしていきますね。
正しい答えは赤枠で囲っています。
問題1〜30 一般問題
問題1〜9が計算問題になります。計算問題については、実は過去問と同じ問題は一つもなく、全てオリジナルの問題でした。ですが、基本的な公式や考え方が身についていればそれなりに解ける問題ばかりです。
問題1
2本の電極間に働く力を答える問題です。
公式を答える問題なので、計算は不要です。テキストにそのまま書いていますので、きちんと暗記していれば解ける問題です。
問題2
抵抗に流れる電流値を答える問題です。
使うのは電気の基本であるオームの法則(V=IR)と、直列の抵抗値の合成(足し算)、並列の抵抗値の合成(足し算分の掛け算)です。
最後に、分流の公式(知りたい抵抗じゃない方の抵抗に流れる電流値を分子に持ってくる)を使います。
問題3
コイルとコンデンサの抵抗値を求める公式から誘導性リアクタンスLと容量性リアクタンスCを求めます。次に与えられた値を使ってコイルとコンデンサの抵抗値を求め、最後に回路全体の合成インピーダンスを計算します。
交流会等の合成インピーダンスは三平方の定理で簡単に求められますので、覚えておきましょう。
問題4
直列電源では回路全体の合成抵抗=抵抗のみの合成抵抗になります。その為まずはRの抵抗値をオームの法則からサクッと求め、次に交流電源に切り替えた際の回路全体の合成抵抗も求めます。最後にXの値を求めればOKです。
難しく考えず、順番に求めていくのが大事✨
問題5
線電流を求める式はI=V/Zです。
Zは三平方の定理から10Ωとなり、Vは相電圧なので200 / √3になります。
従って、線電流は20√3になるのでロを選択します。
問題6
単相2線式の線路による電圧降下と全電力損失を答える問題です。電圧降下はV=2rIで計算していきます。P=2rI^2も活用すると電力損失も求められます。
ただ公式に当てはまるだけの単純な問題ですので、確実に点数ゲットしましょう。
問題7
これはちゃんとした答えの導き方がよく分からなかった問題です。ですが有効電力と無効電力の関係や、力率の求め方などの基本的な計算式•考え方が身についていれば答えに辿り着きます。4択なので、完璧に理解できていなくてもそれっぽい答えを選択できるというのも選択式の良いところです。
問題8
これは1次側の電力と2次側の電力が等しくなることと、E1/E2=V1/V2のような電圧比が成り立つことを応用して解いていく問題です。
1次側と2次側の電力が等しくなるので、1次タップ電圧を下げると2次電圧は上昇します。うっかり選び間違えてしまいました。
なにやってるのおばか!
問題9
交流回路の電力を求める公式は、P=VI=V^2 / Zです。上記回路には抵抗器がありませんので、コイルとコンデンサの抵抗値から三平方の定理を使って合成インピーダンスを求めます。√0^2 +(150-9)^2 =141となります。
計算しすぎて疲れたもうやだ
問題10
Y-Δ始動法の始動トルクはΔ結線に比べて3分の1になります。これは基本ですね。
始動トルクを抑える為に、Y-Δ始動を使っているのですから。ちなみにスター(Y)デルタ(Δ)と読みます。
問題11
【過去問に出題あり】
「八重歯可愛いふっくらほっぺノーリターン」
絶縁材料の耐熱クラスは、この一文さえ覚えておけば怖いものはありません。
YAEBFHNRの順で耐熱クラスが高くなります。
ラッキー問題です。
八重歯可愛いふっくらほっぺ?、、、私のことだ❤️
問題12
【過去問に出題あり】
電子レンジは誘電加熱。IHは誘導加熱。これだけ覚えておきましょう。
これまたラッキー問題です。
問題13
【過去問に出題あり】
鉛蓄電池の電解液は希硫酸です。これはよく出るので暗記しておきましょう。
問題14
【過去問に出題あり】
超ラッキー問題ですね。上の丸い部分で照度を測定する照度計です。単位に[lx]と書いていますので一目で照度計だと分かると思います。
明るさを測れるって面白いね
問題15
金属ダクトか二種金属線ぴか悩むところですが、幅が書いてありますので、ここから金属線ぴであることが分かります。
これは過去問にはない問題です。テキストをしっかり勉強していれば解ける問題ですが、間違えても仕方がない難易度の問題です。
問題16
こちらはテキストの水力発電のフローを良く覚えていれば解ける問題です。取水口が最初なのは分かりますが、水圧管路と水車のどちらが先にくるか、きちんと覚えておきましょう。
問題17
【過去問に出題あり】
風力発電で使われるプロペラ形風車は、水平軸形風車です。良く出る問題ですので、必ず暗記しておきましょう。
問題18
鉄損は無負荷損、銅損は負荷損とも言います。私も間違ってしまいましたが、高圧ケーブルは3心の電流の和が0になることから、鉄損は発生しないようです。
問題19
【過去問に出題あり】
アークホーンは雷サージ保護です。他にも、アーマロッドは電線に巻き付ける支線、ダンパは電線を支える重りなどあるので、覚えておきましょう。
家の近くの電柱にもついてたね
問題20
遮断容量を決定する場合に必要なのは、受電点の三相短絡電流らしいです。おそらく短絡した時に流れる電流値から、安全な遮断容量のものを選定するものと思われます。
問題21
【過去問に出題あり】
樹枝状に生じる劣化を「水トリー」と言います。これは元々絶縁性が高い、つまり電気を通さない物質が経年劣化により絶縁性がなくなる、つまり電気を通してしまうのです。
電気を通さない想定のものに電気が通ってしまったら、危険ですね💥
感電しちゃうじゃん!やだ!
「水トリー」=絶縁性能の劣化と知っていれば、間違えない問題です。「水トリー」は、架橋ポリエチレン絶縁体内部に発生します。
問題22
【過去問に出題あり】
写真は直列リアクトルですので、高調波電流を抑制します。直列リアクトルはモーターの力率を改善する進相コンデンサと併せて使用します。
他にも進相コンデンサによる突入電流の抑制効果があります。
直列リアクトルは外観で覚えておきましょう。変圧器とも似ていますが、直列リアクトルの方がシュッとしていてスタイリッシュです。
問題23
【過去問に出題あり】
これも外観で覚えておきましょう。直列リアクトルと違って、スタイリッシュではないです。
電圧計とか電力計などの測定器に電力供給する機器です。
問題24
【過去問に出題あり】
これは勉強しなくても正解出来る問題です。自動点滅器は庭などに設置して、辺りが暗くなってきたら光るスイッチです。リモコンセレクタスイッチはその名の通り遠くから操作できるスイッチです。遅延スイッチはタイマーですね。
消去法でも答えに辿り着きますし、名前で判断しても答えに辿り着けるラッキー問題です。
問題25
【過去問に出題あり】
ケーブルを接続する作業をイメージしてみましょう。圧着工具は電線を結線する際に使いますね。被覆を剥くには電工ナイフが必要です。トルクレンチは端子台へのネジ締めで使います。
消去法でも答えに辿り着けます。
パイプベンダは金属管を曲げる工具ですので、ケーブルの接続作業では使用しません。
問題26
これはちょっと難し目の問題です。私も間違えてしまいました。
いわゆる「防爆性能」がない機器を選ぶ問題です。
残念ながら過去問にはありませんでしたので、テキストでどの機器に防爆性能があるかを覚えておく必要があります。
外観で「二」は明らかに防爆性能がありそうですが、その他の機器についてはそれぞれ覚えておきましょう。
防爆性能はノーマークだったょ
問題27
私は間違えてしまいましたが、地表上2mという記載が間違いのようです。この辺りの数値まできちんと覚えるのは難しいですが、テキストを勉強していて余力があれば、きちんと覚えておくと点数を稼げます。
問題28
高圧の場合、金属管に絶縁電線を収めてはいけません。金属管に収めるのはケーブルでなければいけないのです。
絶縁電線とケーブルの違いは、被覆で覆われているかどうかです。
なんといっても7000V以下を有する高圧ですから、絶縁電線が金属管とショートしてしまうリスクがあります。「高圧では金属管に収められるのはケーブルだけ」と覚えておきましょう。
問題29
キャブタイヤケーブルとは、移動用ケーブルのことです。ロボットとかに使われるケーブルを想像すると良いでしょう。
そんな可動部に使われるケーブルが点検できない隠ぺい場所に施設されていたら、すごく危ないですよね?
可動部ということは、ケーブルも擦れたり曲げられたりするので、劣化してしまう危険性が高いです。
必ず「点検できる場所」に施設しなければなりません。
このようにただ暗記するのではなく、なぜ施設してはダメなのか?その理由を覚えれば、絶対に忘れない記憶になります。
理解してこその暗記だね
問題30〜35 高圧キャビネットから高圧受電設備までの電気機器
ここからの5問は高圧キャビネットから高圧受電設備までの電気機器に関する問題で、実装図に示された部分について答えます。
問題30
【過去問に出題あり】
UGSについて不適切なものを答えます。一見難しそうに見えますが、ありきたりな問題です。公共電気事業者との責任分界点に使用されるPASやUGSには、短絡事故を遮断する能力は必要ありません。地絡が遮断出来れば、良いのです。
問題31
間違えてしまいましたが、高圧においては管路の接地を省略してはいけないようです。
過去問にもありませんでしたのでこれは少し難問です。
問題32
【過去問に出題あり】
PF•S型の出遮断装置に過電流ロック機能は必要ありません。過電流ロック機能とは、過電流が流れた時に開閉器を開の状態でロックし、電力会社側の再送電に影響を及ぼさないようにする機能です。その為、責任分界点に設けるPASやUGSには過電流ロック機能が必要ですが、PF•S型主遮断装置には不要です。
問題33
ケーブルラックの設置工事を省略することはできないようです。高圧受電設備内のケーブルラックとなると、低圧とは話が違うようです。
問題34
ケーブルの絶縁耐力試験を直流で行う場合は、交流の2倍の電圧を使用します。
よく出る問題なので必ず暗記しましょう。
交流で行う場合は、最大電圧の1.5倍の電圧を使用することになっています。そして最大電圧は、公称電圧の1.15/1.1倍で求められます。
問題の出し方、条件の与えられ方は様々考えられますので、これらはセットで覚えておきましょう。
一見難しそうだけど、一度覚えちゃえば忘れないよ。
問題35
使用電圧とそれぞれの絶縁抵抗の関係は必ず覚えておく必要があります。
使用電圧150V以下なら絶縁抵抗0.1MΩ以上。300V以下なら0.2MΩ以上。300V超なら0.4MΩ以上と定められています。
これさえ暗記していれば、あとはこれらに一致しないものを選ぶだけで正解に辿り着きます。
問題36〜40 高圧受電設備や法規の問題
ここからの5問は高圧受電設備や法規に関する問題です。出題範囲が広いので、出題の傾向をつかむ必要がありますが、要点が繰り返し出題される傾向がありますので、ポイントとなる知識はきちんと頭に入れておきましょう。
問題36
【過去問に出題あり】
取り付けは接地側から、取り外しは電路側から。これは電気工事士に限らず、電気の基本とも言えます。安全性を考慮すれば必然的に見えてくる答えです。
特に高圧は一歩間違えれば命の危険がある作業です。常に安全を考慮して作業を行わなければならないことを覚えておきましょう。
問題37
D種接地工事の接地抵抗は100Ω以下と定められています。10Ω以下と定められているのはA種接地とC種接地です。
過去問で出題されていない問題ですが、基本ですので必ず覚えておきましょう。
問題38
超ラッキー問題です。
「非常用」の工事が出来るのは特種電気工事資格者と覚えましょう。
非常時に使う設備工事は特別です。緊急時に万が一動作しないことがあっては許されないからです。従って、第1種でも第2種でもなく、特種電気工事士でなければならないのです。
問題39
意外にも、正解は「二」です。これは若干引っかけ問題的な要素がありますが、消去法でも答えに辿り着きます。
極端なことを言ってしまうと、登録電気工事士の代表者は電気工事士の資格が不要です。現実には資格を有していることがほとんどかとは思いますが。
問題40
【過去問に出題あり】
よく使用する材料は実はそのほとんどが特定電気用品ですが、スイッチボックスは一般用電気用品になります。ポイントですので覚えておきましょう。
問題41〜45 配線図1に関する問題
モーターの駆動制御回路について答える問題です。必ずではないですが、モーターの駆動制御回路は例年出題されています。
問題41
【過去問に出題あり】
AをB接点、BをA接点にするのが正解です。モーター駆動の順番を考えれば解ける問題です。まず最初にBを押してMCを動作させ、自己保持回路により状態を保持します。停止させる際にAを押します。
問題42
TLRはタイマーリレーを指します。動作時にタイマーが作動する図記号の為、正解は限時動作瞬時復帰接点です。
問題43
【過去問に出題あり】
ここには、モーターの正回転と逆回転が同時に入力されないよう、お互いを要因とするインタロック回路を設ける必要があります。お互いの回路にお互いのB接点を設けることでインタロックが作れます。
問題44
モーターを逆転させる接続を行います。逆転させるには3相のうち2相を入れ替えます。正直理由はよく分かっていませんが、XとZのラインを入れ替えるのが正解のようです。
問題45
THRはサーマルリレーを指します。サーマルリレーは熱動継電機といい、外観は「ハ」になります。電磁開閉器と繋げて使用されることが多いです。
TLR(タイマーリレー)と綴りが似てるので気をつけよう
問題46〜50 配線図2に関する問題
ここからの5問は、定番の高圧受電設備の回路図に関する問題です。
高圧受電設備の回路を丸暗記しておくとここでの正答率がぐっと上がります。
問題46
VCTは電力需給用計器用変成器です。過去問にはありませんでしたが、回路図を丸暗記していれば楽勝の問題です。
問題47
この図記号はヒューズです。ヒューズの目的は短絡事故が起きた際の主回路の保護ですので、「イ」が正解です。
ちなみに避雷針の回路にヒューズを設けてはいけません。避雷針の回路は雷サージから他回路を守る役割があるため、避雷針の回路自体にはヒューズを設けてはいけないのです。
問題48
ASは電流計切り替えスイッチ、VSは電圧計切り替えスイッチを指します。ASを選ばなければいけませんので、イか二か悩むところですが、よく見るとイはR、S、Tとそれぞれの相が書いていて、二はRS、ST、RTと相間が印字されていますので、ASはイだと分かります。
そっか。電圧は相間にかけるものだからだね。
問題49
停電時に放電接地を行うもの、とありますので、迷わず接地棒を選びます。
間違ってるじゃん。どうして💥
問題文よく読んでなかった...
問題50
RSTの真ん中の相を接地するのが正解のようです。間違えてしまいました。
接地は電気の要ですので、正しく覚えておきましょう。
気になる過去問一致率は?
50問全て解説してきましたが、ここで気になる過去問一致率を発表します。
今回の試験問題のうち、過去問に出題されていた問題数は、、、
なんと50問中16問!!その過去問一致率はなんと32%!!
計算問題9問を除いたとすると、
その一致率は驚異の39%です!!
つまり過去5年分の過去問を解くだけでおよそ4割は正解できるのです。
凄いですよね?凄すぎますよね?
わかったわかった
同じ問題が出て間違える人はなかなかいないと思いますので、試験前に過去問集を解くだけで4割。
合格は目前です。
まとめ
第1種電気工事士の筆記試験対策としても、やはり過去問は確実に解いておくべきです。
そして計算問題は基本的な公式を頭に入れておくこと。試験時間はたっぷりありますので、試行錯誤で答えに辿り着きます。
これだけで、合格点に届くのです。
あとはテキストで重要ポイントを一通り押さえてあげれば、合格は間違いありません。
今回は筆記試験の極意を伝えさせて頂きました。
この記事で、第1種電気工事士の合格者が一人でも増えてくれることを願ってます。
【送料無料】 2020年版 ぜんぶ絵で見て覚える第1種電気工事士 筆記試験すいーっと合格 / 藤瀧和弘 【本】
最後まで読んで頂きありがとうございます。
宜しければ読者登録お願いします。